連絡掲示板
7903
感想、連絡、画像交換など自由に使って下さい。
愛妻の画像も訪れてください。
パスワードは下の会員登録から、問合せしてください。
会員登録
サンバ~性宴のプロローグ
-
1:col
:
2022/04/01 (Fri) 10:36:17
-
①
いよいよ妻の出番だ。
私は緊張しながらも、電柱に据え付けられたスピーカーから流れる司会者のアナウンスに、思わず吹きだしていた。
「さぁ、おまちかね、祭りのクライマックス、サンバパレードのはじまりですよ。今年は東京、大阪から選りすぐりのべっぴんさん47人がエントリー。みなさんの投票によって見事、一位に選ばれた方には、賞金10万円、副賞として、われらが地元、高山温泉一泊旅行をペアでご招待。一位をめざして47人のべっぴんさんがサンバのリズムに合わせて、ご自慢のムチムチボディを披露します。さあ、じっくりと熱気あふれるサンバをご堪能ください。レッツゴー!」
アナウンスが終わるやいなや、凄まじいサンバのリズムが鳴り響いた。
音割れする大音量にスピーカーは、これが限界だといわんばかりに、ブルブルふるえ悲鳴をあげた。
同時に、沿道に集まった村人から、やんやの喝采がわき起こった。
40~50メートルほど先のパレードのスタート地点に、女性達の姿が浮かび上がった。
全員が白いレオタード姿だった。
その白さは遠目に一瞬、全裸と見間違えるほどだった。
私は思わずドキっとした。
47人の女性の身体のラインは遠目でもはっきりと分かった。
最初、恥ずかしさから、立っているのもたどたどしかたレオタードの群は、2歩、3歩と進むに連れて、サンバのリズムに合わせて腰をふったり、胸を揺さぶったり、思い思いの振り付けで、それなりに様になってきた。
一群の中に、楽しそうにサンバのリズムに合わせて腰をくねらす妻のゆかりを見つけた。
私はカメラのズームを300ミリにして、ファインダーの中に妻を納めた。
瞬間、カメラを持つ手が震えた。
ファインダーの中妻の姿を見て、私はあらためて、そのあらわな姿に仰天した。
『おいおい冗談じゃない、なんて格好してるんだ、それはやりすぎだろう』
私の心臓が激しく鼓動した。
妻の薄地の白いレオタードには、胸パットも股間のガードも付いていなかった。
胸元にはDカップの乳房が、その形がはっきりと分かるほどくっきり浮き上がり、その隆起の頂きには乳首が突き出ているではないか。
しかもレオタードの白さに透けて真っ黒な乳首の色がはっきりとわかるほどだ。
股間は、恥丘はこじんまりとしながらも密集した陰毛の群れが黒々と透けている。
くるりと身を翻した時に、お尻が見えた。
熟した肉尻を隠すにはレオタードの布はあまりにも小さすぎた。
お尻は丸見えだった。
『裸同然じゃないか』
私はカメラを周りの女性に向けた。
他の女性も妻と同じだった。
乳首が浮かび上がり、尻は丸出しだった。
沿道の村人達が狂喜するのも当然だった。
②
私は身体がカッと熱くなるのを感じた。
村の男達の好色な目が妻達に注がれていた。
『ぽか~ん』とあいた口から涎を垂らしながら「綺麗じゃ、この世のものとは思えん。おお、観音様じゃ、観音様じゃ、この高まりは何十年ぶりじゃ、おお何十年ぶりじゃ、おお」とつぶやく老人もいた。
沿道につめかけているのは、当然男ばかりだった。
働き盛りの男はもちろん、顔中にシワを溜め込んだ老人まで、男達のすべてが股間を膨らませていた。
いやがる妻を強引にサンバパレードに誘ったのは私だった。
勃起しながら妻達に声援を送る沿道の男達を見ながら、私は2週間前のことを後悔し始めていた。
③
2週間前。
それは一つの電話から始まった。
電話で話す妻が敬語を使っているので、テレビを見ていた私も、その会話が気になっていた。
妻が受話器を置くやいなや、私は「誰?」と訊ねた。
「う~ん、あのイベント会社の社長さん。あなた知っているでしょう?ほら、今年の春、市民ホールであったITベンチャーショーで私、受付コンパニオンのバイトしたじゃない。あの時の社長さんよ」
私は一度だけ会ったことのあるその人物のことを思い出した。
子豚を思わせるころころした体型のその社長は、人当たりのよい柔らかな物腰だが、妻の顔から胸、お尻、足首までを舐めるように見る淫靡な目が気になって、好きにはなれなかった。
「はい、はい、あの社長か。そういやぁ、あの後もしつこく専属コンパニオンにならないかって、ゆかりを口説いていた社長だね」
「口説くって、いやらしいわね。美人は誰からも好かれるものよ」
妻は、この社長が美人だ、美人だとしつこく誉めることに悪い気はしていなかった。
というより、むしろ喜んでいたと言ったほうが正しいだろう。
独身時代ならいざしらず、40の声を聞く主婦が、美人だといわれる機会は滅多にない。
お世辞でも美人だ、と言われれば「私もまだまだまんざらでもないわ」と思ってしまうものだ。
「それで、またバイトの話?」
「そう、岐阜県の和田村で村祭のようなイベントがあるんですって。そこでサンバパレードがあって、エントリーする女性を募集していて、私にどうかって言うの。美人コンテストのようなものらしいのだけど。とんでもないって断わったけどね」
断わったという妻の言葉の中に、多少の興味があることを察した私は「バイトじゃないの?じゃ、お金は賞金になるのかな」と振ってみた。
「うん、推薦でエントリーされた場合は、交通費込みで5万円くれるらしいの。確か1位が10万円とペアで一泊の温泉旅行、2位が5万円、3位が3万円ですって」
「その推薦って何?」
「私の場合、祭の主催の、え~と何だっけ、あ、村の農商倶楽部の理事長さんの推薦らしいの」
妻の顔に、まんざらでもないでしょう、という自信のようなものが見え隠れした。
「理事長って、何故、そんな人がゆかりのこと知ってるんだい?」
「あの春の受付のバイトした時に、その理事長さんも来たらしくて、私のこと覚えていたらしいの。それでイベント会社の社長を通じて話がきたってわけ」
「ふ~ん、じゃ悪くても5万円、まして、その理事長の推薦ってことになると、1位は無理でも3位くらいはいけそうだな」
私はなんか出来た話だなぁと疑問を感じたが、それよりも胸算用の方に心が動いていた。
「エントリーは何人くらい?多いのじゃないか」
「なんか50人程度らしいわよ」
19歳の時、ミス東京に応募したと妻から聞いたことを思い出した。
1000人近い応募があったそのコンテストで、最終選考の10人にまで残ったという。
その経験が自信になっているようで、今回の50人程度のコンテストなら『入賞するのはわけないわ』とでも言いたげな口調だった。
「え、たったの50人。そりゃ、ゆかり、出ろよ、ほんとに10万円も夢じゃないぜ。岐阜県の和田村だろ、高速代に、ガソリン代を入れても、交通費は1万円少してとこだから、手取りで最高14万程度は入ってくることになるなぁ、ダメでも4万円。一日でこれだ、これはおいしい話だな」
お金で盛り上がっている私を妻がさえぎった。
「ちょっと、馬鹿なこと言わないでよ。サンバよ、サンバ。40のおばさんが、サンバなんて踊ってたら、見る人も卒倒しちゃうじゃない。それに先の電話じゃ、レオタード姿って言うし、冗談じゃないわよ。恥ずかしい。私は出る気ないわよ。それにもう断わったんだし」
語気を荒げた口調に、ほんとに出る気がないようにも思えた。
14万、14万という私を妻はきっとにらみつけた。
④
引き続き、サンバパレード当日の2週間前、自宅で。
翌日、帰宅すると背広を架ける間もなく「あなた、あなた、ちょっと聞いて!」と急きながら妻が居間に飛び込んできた。
風呂上がりの姿は、パンティーにTシャツをはおっただけだった。
「なんだよ、そんな格好で。子ども達はどうした?」
「2人とも今日は塾の日よ。あ、9時に終わるから、あなた今日は迎えにいってね」
「ああ」
Tシャツの下で申し訳なそうにブルーのパンティーのクロッチ部分が覗く。
私は目をやりながら生半可に応えた。
もっこりとした恥丘を中心に太股にかけてYの字を描くムチムチした股間が扇情的だった。
「もう、そんな話じゃないの、昨日の話よ」
私の視線に気づいて、パンティを隠すようにTシャツのすそを引っ張りながら、妻は続けた。
「昼間、あの和田村の理事長さんから直接、電話がかかってきたのよ」
「え、どうして?」
白い太股から視線を上げながら『そういや、ここ数ヶ月ほど、妻とはご無沙汰だったな』そんなことを考えていた。
そんな私におかまいなしに、妻はソファに腰掛け足を組んだ。
キュッと引き締まった足首が目前に突き出された。
足首から膝小僧、そして尻につながるムッちりとした太股は、熟女の女肉ならではの淫らさだ。
膝小僧から先をブラブラさせながら、困り顔でさらに続けた。
「どうしてもお願いしたいって言うの。何度もも断ったのだけど。初めての企画なので、どうしても成功させたい、協力してほしいって言うのよ。ほんとしつこいの」
「いいじゃないか、そこまで言われれば、一等の14万はいただいたようなものじゃないか」
私は、Tシャツから伸びた白い足をまじまじと見つめた。
妻の脚線を意識して眺めるのは何年ぶりだろう。
細っそりとしたふくらはぎ、その先の引き締まった足首へと流れるラインは昔のままだったが、太股から尻へと流れるムチムチと熟した肉のラインに年甲斐もなくドキリとした。
足フェチの私にはたまらない欲情させる脚線だった。
妻は、ぽっちゃりとした肉厚のある口唇を尖らせた。
「もう、何言っているの!昨日話したでしょう。私はサンバなんて絶対いやなの。きっと若い娘ばかりよ。若い娘の中に入って、こんな身体さらけ出せる訳ないでしょう!」
身体を揺さぶる、その素振りは、まるで子供がイヤイヤするようで、とても40歳の大人のしぐさとは思えなかった。
『相変わらずぶりっ子だな』
気の強さからくる高慢さと、臆病な幼さが同居したような妻の性格はもちろん良く分かっている。
「じゃ、きっぱり断ればいいじゃないか」
「何度も断ったって言ったでしょう。もう。ご主人も招待したい、なんてことも言い出すし、とにかく私の言うことを聞いてくれないのよ。しつこい人って大嫌い!」
というと、妻は自らを抱くように両手を肩にまわした。
「おい、おい、オレにサンバを踊れって?」
「バカ!、そんなことあるはずないじゃない。あなたと私をペアで温泉に招待するってことよ」
妻は、両手を振ってオーバーなしぐさで否定した。
瞬間、Tシャツが上捲りし、パンティに包まれた下腹部がヘソのあたりまで露出した。
結婚当初、まだ少女のような固さを残していた下腹部も年とともに変わっていった。
今、目にする妻のそれは、昔と変わらず弛みはないが固さが溶けて、ふくよかで十分に熟しきっていた。
私は久かたぶりに妻に欲情した。
股間に血液が早鐘を打つように流れ込むのを覚えた。
しばらく忘れかけていた感覚だった。
妻は私の股間を一瞥し、Tシャツを整え露出したパンティを隠した。
「ゆかり・・・」
発した私の声はうわずっていた。
「ちょっと聞いてるの!真剣に聞いてよ。私、本当に困っているのだから」
太股に伸ばそうとした手を妻の手が、ビシャリと払いのけた。
「わかった、わかった!つまりオレが、その理事長とやらに電話して断ればいいのだろ。わかったよ。可愛い妻のピンチだ、仕方ない助けてやるよ」
私は、妻が差し出した電話番号が書き留められたメモを受け取った。
「お願いね。いつも頼りにしてます。ご主人さま!サービスしちゃうから~」
妻はウインクして、まるで勃起を見透かしたかのように私のズボンの股間に手を当て、小悪魔のような魅惑の笑みを向けた。
私の勃起は、大きく脈打っていた。
⑤
パレードの群に合わせて、沿道の人波も一緒に動き出した。
人波が押し寄せ、ぐいぐい押された。
カメラを構えるのも容易でなかった。
私は近づいてきた妻を肉眼で確認すると、改めてその姿に心臓が破裂しそうだった。
着ていたのはレオタードではなかった。
ただの白い水着だった。
腰には『高野ゆかり』と記されたネームプレートが付いていた。
『裸同然の身体をさらして、しかも本名まで!』
陳腐な水着姿で腰をくねらせる妻に腹立たしさが沸いてきた。
耳をつんざくサンバのリズムに身を委ねながら、妻は男達の視線に酔っていた。
笑顔で、時に手を振るしぐさは、男達を挑発しているようにさえ見えた。
『どう、私のような綺麗な女、見たこと無いでしょう?洗練された都会の、それもとびきり上等の女よ。こんな田舎じゃお目にかかることすらないでしょう?したいの?私としたいのでしょう?この乳房を口で犯したいの?それとも勃起をこの深い胸の谷間に挟みたいの?だめよ。お尻をそんなに見ても、四つん這いになってお尻を突き出した私を想像してるのね。いいのよ。たっぷり想像しなさいね。貴方たちには決して手の届かない女なのよ、見るだけ、そう見るだけよ。貴方たちは一生、見るだけなのよ』
妻の瞳の奥には、男を弄ぼうとする、淫らな光が宿っていた。
それは、我慢できなくなった私が、妻の股の間に割って入ろうとする時に向ける、あの目だ。
男の肉欲を知り尽くした目だった。
腹立ちが怒りへと変わった。
同時に、この2週間が、また私の脳裏に蘇ってきた。
⑥
翌日、約束は約束なので、私は昼休みに、例の理事長に電話を入れた。
話を聞きながら理事長の懇願は理解できたし、なによりも提示された条件は申し分なかった、いや破格の条件だった。
私はあっさりと妻の参加を承諾してしまった。
理事長の説明はこうだった。
一年に一度のその村祭は、村人の唯一の楽しみであり、特にサンバパレードは祭のクライマックスで、村人全員が一番楽しみにしている催しだということだった。
毎年、東京や大阪の素人サンバチームを招いているが、ここ数年、マンネリになってきたという。
しかし、田舎にまで来て、サンバを披露してくるチームはあまりなく、断わるわけにもいかない。
そこで、サンバチームとともに、サンバの華になるまったくの素人さんを呼ぼうということになり、イベント会社の社長に相談し、妻に白羽の矢が立ったというのだ。
サンバのコンテストというのも名ばかりで、実際は今回、参加した素人さんに一等賞の賞金をわたそうという話になっており、参加してもらえれば30万円と交通費の5万円、それに今回は夫婦で温泉に一泊してもらうという申し出だった。
またサンバに参加するいつものサンバチームというのは、50歳前後のおばちゃまがダイエットを兼ねて作ったような素人チームなので、気兼ねする必要はまったくないということだった。
私も理事長の話を聞きながら『おばちゃまサンバじゃ、そりゃマンネリもするだろうな』とうなづいた。
しかし、妻も今年でもう40歳で、まさにおばさんの域だ。
あまり変わりないのじゃないのか、もっと若い娘にしたらどうか、と理事長に意見したが「いや、いや、奥さんは歳よりも10歳は若く見えますよ。それになんと言っても美人じゃ」と、大げさに美人、美人を繰り返した。
本当は、サンバチームのおばさん達とあまりにも歳が離れた若い娘では、おばさん達がヘソを曲げるということらしい。
衣装も厚手のレオタードにサンバに付きものの孔雀のような羽飾りを沢山つけるので、肌の露出は少ないということだった。
確かにおばさんサンバでは、肌の露出は見る者につらいものがある。
「ここは一つ、奥さんにボランティアと思って参加するように奨めてくださらんか。いや、いや、もちろんお金は払いますよ。お願いしますよ」
電話の向こうで、まるで頭を下げているのがわかるようだった。
帰宅して、妻に今日の理事長との一部始終を話した。
妻の反対する理由は、若い娘と一緒はイヤ、肌の露出はイヤ、との2点だったようだ。
自分よりも年上の女性とであること、当然、衣装も露出が少ないことを聞いて、妻の気持ちが変化しはじめたが分かった。
ただ、胸に引っかかるものがあるようだった。
「おかしいわね、最初の社長の話でも、理事長さんの電話でもそんな説明なかったわよ」
妻は記憶をたどりながら、合点がいかない様子だった。
「それりゃ、おまえはイヤです、の一点張りだったんだろ?先方がそこまで説明するところまでもいかなかったのじゃないか」
「う~ん、でも、二人ともしつこい電話だったのだけど。なかなか電話を切ってくれなかったわ」
妻は、首を傾げながら、顔を不安げに曇らせた。
「まぁ、俺がちゃんと説明を受けたんだから、間違いないよ。それよりも旅行気分で行ってみようか?30万円も確実だし、あっ、35万か。引きづってでも連れて行くよ」
笑いながら、妻の腕をつかみ、引っ張る格好を見せた。
柔らかい腕だった。
妻の肉体をいまさらながら意識する自分が変だった。
「そうね、本当のこと言うと、実は私も30万円は魅力だったの。ボランティアねぇ、ほんとこんなおばちゃんですが、ボランティでやってみますか。まぁ、ダンスも昔取ったなんたらで、多少の自信はあるしね」
妻も笑いながら答えた。
「よし、決まり!決まったところで、今晩は、サービスの方、頼むよ」
妻の腕を強く握った。
「ちょっと、ダメよ。出場する以上は、万全の身体にしなくちゃ。キスマークのついた身体じゃ、イヤよ。あと2週間、さぁ、身体に磨きをかけなくちゃ。エステも通わないといけないわね。だからあなたも協力してね。きれいな奥さんがサンバを踊るの見るの、あなたもうれしいでしょ。サンバが終わるまではイヤよ」
妻は私の手を払いのけて、ソファから立ち上がると、サンバを踊るように腰を振りながら、一回転した。
フレアのスカートが捲れ上がり、あのムチムチした太腿が露出した。
私は、サンバの話が舞い込んで来て以来、妻の肉体に異常に欲情するようになっていた。
確かに結婚前は、妻の身体に溺れた。
会えば、たとえ短い時間でも、押さえきれないほど勃起した肉棒を妻に突き刺した。
何度突き刺しても、肉棒は勃起した。
しかし、結婚し子供も一人、二人と生まれ、妻との関係は夫婦から、父と母の関係になっていった。
妻に欲情することは少なくなっていた。
ところが、どうだ。
あのサンバの話が舞い込んでからは、私は妻の顔を見るだけで、股間がムクムクするようになっていた。
風呂上りや着替え中の妻を目にした時には、勃起は最高潮に達していた。
結婚して以来、こんな感情は初めてだった。
私は、この2週間、妻に欲情する勃起をひとりで慰めていた。
そして、ようやく今日、パレードの当日を迎えたのだ。
⑦
隣の男がぶつかってきた拍子に、カメラのストラップが肩から抜けた。
私は、あやうくカメラを落とすところだった。
妻がちょうど私の前を通過していこうとしている。
押し寄せる人波の中で、私の身体は右に左に弾かれた。
男達は誰も歩む方向を見ていなかった。
すべての男達が首だけをパレードの方に向けて、一定の間隔で顎を上下に動していた。
男達の一連の動きはこうだ。
まず確認するかのように妻の顔をマジマジと眺めると、次に水着の上から、はっきりと分かるほど大きく突き出たオッパイと、その頂きにあるうっすらと透けた黒い乳首へ、そして最後に、陰毛の黒い影が浮き出た股間や、水着からはみ出た丸々した尻たぶに、幾度も視線を這わせていた。
男達のギラギラした目は、まるで性交の時のそれだった。
妻を犯そうとする肉欲の目だった。
素っ頓狂な声がサンバのリズムの中から、ふいに聞えた。
「ゆかりちゃん~高野ゆかりちゃん、最高!」
「お尻、もっとクネクネさせて、ほれほれ!」
「ぅッヒョ~、最高、いいよ、ゆかりチャン~デカパイもね!」
「ぅッヒョ~!ヒョ~」
沿道の最前列を占領し、妻の歩みに合わせるように、一緒に移動する数人の若い男達だ。
パレードの中心で、妻は、他の女達に囲まれるにようにして踊っていた。
それはまるで、待女を引き連れた女王様のようにも見えた。
サンバのリズムに合わせて腰を淫らに振る姿も様になっている。
周りの女達とともに、沿道の男達に笑顔を振りまきながら、挑発するかのように女体をくねらせていた。
私は他の女に目をやった。
パレードに参加した女達は、理事長の説明とは大分違っていた。
決して、おばちゃんサンバではなかった。
歳の頃もさすがに20歳代はいなかったが30前半ではないかとおぼしき女も数人いた。
大半が40歳前後で、スタイルも悪くなかった。
154センチの妻はパレードの中では小柄だったが、プロポーションもさることながら、女体が発する気品や上質と言う点で、明らかに他の女達と違っていた。
妻以外の女は、淫らな商売を彷彿させる、くたびれた淫らさがあった。
男の肉欲を何度も受け入れてきたプロの女、そう表現するのがぴったりだった。
淫ら汁で股間をベトベトにし、まさに、肉棒を受け入れる寸前の膣口を、まるで男達に差し出すかのようにして、女達は腰を前後にくねらせていた。
最前列の男達の卑猥な声が一層、大きくなった。
妻の名を呼ぶ声には、男達の勃起が伝わってきそうだった。
私は、誰彼にというわけでなく、怒りがこみ上げてきた。
目の前を通り過ぎていく妻は、私の妻だ。
あのオッパイを揉み、乳首を吸えるのは私だ。
そして、勃起を何度もヌルヌルした膣穴にぶち込めるのも私だ。
しかし今、目の前で腰をくねらせている妻は、私の妻ではなかった。
私の手の届かない、まるで沿道の男達の女のようだ。
『何やってるんだ!バカ野郎!!』
カッと頭に血が上った。
私は、パレードに踊り出て、すぐに妻の手を引き、この場から連れ出したい衝動に駆られた。
⑧
遠ざかっていくパレードの一団。
視界の中で、妻が小さくなっていく。
妻を追いかけようとした、その時、後ろの会話が耳に入ってきた。
「あの女達もたいへんだ。良く頑張ってくれてるよ。夜ならいざ知らず、真昼間からあんな格好させられて」
「何の娯楽もないこんなところじゃ。村の男は、年に一度のこの祭りだけが楽しみでな、こうしてわしらを楽しませくれているのだから、感謝せんとな」
「そうじゃ、ほんと感謝せな」
2人の老人の会話が、私の足を踏み止めた。
どうも、トラブルがあったらしい。
イベント会社がサンバの衣装を取り違えたらしいのだ。
衣装をめぐって、こんな衣装は着れないと断固拒否する女性達と主催者の理事長達とパレードの直前まで、相当もめたようだ。
すったもんだの末、理事長たちが土下座してまで頼み込んで、ようやくパレードがスタートしたらしい。
ことの経緯を耳にして、私の怒りは多少治まりはじめた。
『なるほどそうゆう理由があったのか。妻も大変だったんだ。決して好き好んであのような格好をした訳ではなかったのだ』
確かに、パレードの最中に、私が出て行き、パレードから妻を連れ出すことは、村の人たちが楽しみにしている祭に水を差すことになるし、何よりも嫉妬心から生じた怒りは、大人気なかった。
妻達にしてもそうだ。
ここまで来て、衣装が違うからサンバは踊れない、ということを頑と貫き通すことは、サンバが祭のメーンイベントであることからもなかなか難しかったのだろう。
村の人たちが楽しみにしている祭を、一時の感情で台無しにすることは出来なかった。
鈍い重さを胸に感じながらも、ようやく私は冷静にパレードを見れるようになっていた。
沿道の観衆を引き連れて遠ざかって行くパレードの一団をカメラで追いながら、もう一度、ファインダーの中に妻の姿を納めた。
肉を突き出すように盛り上った丸々とした尻たぶ、そして、細くくびれたウエストと足首、夫の私が言うのもなんだが、惚れ惚れする見事な身体のラインだった。
背後から見るプロポーションは、20歳代の女と言っても十分通用する。その姿は確実に20歳以上は若かった。
いや、200歳代でも、これほど見事な身体の女は、そうはいない。
ファインダー越しに妻の後ろ姿を見ながら、私は、肺の中に鉛を詰め込まれていくような鈍い重さを覚えた。
胸が詰まりそうになる、過去のあの痛みが蘇ってきた。
妻の水着姿を生身で見るのは初めてだった。
『正確には意識して、ということだが』
結婚前、私は妻とのデートでプールにも海水浴にも行ったことはなかった。
結婚後、子供が出来てからは何度かプールや海に行ったが、妻の水着姿を生身で見た、という実感はほとんどなかった。
いまだに私の記憶の中に鮮明に残る妻の水着姿は、一枚の写真だった。
付き合っていた頃、20年前。
妻の部屋で見たアルバムに張られた写真。
砂浜で男と二人で映っていた。
「前の彼よ。男前でしょ。もちろん、今の彼の方がもっと素敵よ」
「今の彼?」
「あ・な・た」
ゆかりは私の顔を覗き込むようにして、笑みを浮かべ無邪気にいった。
私は写真の男よりも、写真が記録したゆかりの黒を基調にしたワンピースの水着姿と、その写真が撮られた場所を凝視していた。
心臓は大きく脈打った。
うれしそうにしゃべる妻の声は、私には聞えなかった。
その海は当時、妻が住んでいた所からは、日帰りでは到底いけない観光地だった。
2泊、もしくは3泊はしないと行けない所だった。
アルバムの1ページには水着姿以外にも、2人の写真があった。
グループではなく2人だけの旅行、数枚の写真は、それを物語っていた。
弾けるような若さあふれるゆかりの水着姿。
写真の2人のポーズから男の手が、ゆかりの尻にあてがわれていることが想像できた。
ホテルで一晩過ごして海に来たのか、それとも今晩、ホテルで過ごすのか。
いづれにしても男の表情には、身も心もすでにゆかりを征服しているという自信があふれていた。
男の海水パンツの股間は、大きく勃起しているかのようにさえ見えた。
「俺の女だ。俺がゆかりに性の悦びを叩き込んだのだ」
写真の男の声が聞こえてきそうだった。
私は喉が渇き、目眩を覚えた。
「あなたに出会う前に、付き合ったのは2人よ。去年まで付き合っていた人とは、結婚したいと思ってたの。でも親の反対もあって、ごちゃごちゃして。彼の頼りなさも感じるようになって、それで、あっ、この人じゃないな、って思ったの。ケンカも絶えなくなって、それで別れたわ」
ゆかりと付き合い始めた時に聞いた話だ。
『結婚したい人がいた』ことを告げることで、処女でないことを私に伝えたのだろう。
しかし、私はゆかりが処女であることを心のどこかで願望していた。
ゆかりの身体を知った男がこの世にいることが我慢ならなかったのだ。
一枚の水着写真が、その私の淡い願望を粉々に砕いてしまった。
この日を境にして、私は胸の奥に、まるで鉛が一つ一つ溜まっていくような鈍い重さを覚えるようになっていった。
写真を凝視続けながら、私はズボンを突き上げるような強烈な勃起を感じた。
股間が大きく脈打った。
私は顔を上げるとゆかりの唇口に吸い付いていた。
「ああ~ん、な、何?うっうう」
ゆかりは甘い吐息を洩らしながら、舌を絡めてきた。
写真のあの男に教え込まれた舌使いだった。
⑨
1枚の写真。
男と一緒に写っていた独身時代の水着姿の妻。
私は、20年前のあの胸を締め付ける、鉛を埋め込まれたような鈍い重さを感じていた。
ファインダーの中で、ますます小さくなっていく白い水着の妻に、あの写真の中の若かりし頃の妻をだぶらせていた。
私は、妻の瞬間、瞬間を手に入れようとするかのように無我夢中でシャッターをきった。
やがて、300ミリの望遠から妻の姿が見えなくなった。
パレードの一団も沿道の人達もはるか彼方だった。
パレードの終着地に辿り着こうとしていた。
私は駆け出していた。
むしょうに妻の顔が見たくなった。
まるで胸の中に埋め込まれた鉛が溶けるかのように、妻への愛しさが湧き出てきた。
終着点では、すでにパレードは終わっていた。
理事長はじめ主催者の役員さん達だろう、妻をはじめ、パレードに参加した女性達の労をねぎらうように、出迎えていた。
私は理事長と握手しながら、なにやら話している妻を見つけ、足早に近づいていった。
「高野さん、ご苦労さんじゃった。すごい人気じゃったな。おかげさんで、祭りも大いに盛り上がった。ほんと高野さんのお陰じゃ。それにしてもゆかりちゃん人気は凄いもんじゃったの」
理事長は感謝の言葉をかけながら、その視線を妻の身体に這わせていた。
「どこ見てるんですか?いやらしい!」
言葉は多少強かったが、妻の顔は笑っていた。
その顔には、大きな仕事をやり終えた充実感が漂っていた。
「いやぁ、すまん、すまん。こうして真近で見ると、ほんときれいじゃ。年甲斐もなく、高野さんの美貌と、そのスタイルの良さに見とれてしもうたわ。許してくれんか。しかし、村の男達が騒ぐのもこりゃ、無理ないわい、いや、すまん、すまん」
「もう、聞き飽きたわ。その言葉。あらっ、あなた!」
近づいた私に気付き、理事長も振り返った。
「おお、ご主人。奥さんには、ほんとご協力いただいて、感謝してます。とんだハプニングがあって、こんな衣装になってしまい。ご主人には申し訳ないと思っとります」
私に向かって、深々と頭を下げた。
「いやいや、そんな。頭を上げて下さい。聞きましたよ。仕方ないですよ。私も最初見た時はギョとしましたが。皆さん喜んでいたみたいですし、こんな妻でもお役に立てて良かったですよ」
「そう言ってもらえると少し報われます。あの奥さんにも説明しておいたのですが、衣装の件では、イベント会社の方で、お詫び代を用意するようにしておりますので、それで勘弁してやってくだされ」
『なるほど、お詫び代で手を打ったのだな。となると、30万に、交通費の5万、お詫び代が2、3万といった線として、しめて40万近くになるな』
理事長の話を聞きながら、私はさっそくそろばんを弾いていた。
「あの、着替えたいのですけど」
胸元を両手で隠すようにした妻が、話に割って入った。
「おお、そうじゃった。いつまでもその格好では気の毒じゃったな。着替えて来て下さい。この後、表彰式を行いますんでな。それじゃ、私もちょっと失礼します」
理事長は私達2人に、お辞儀をすると本部テントの方に向かっていた。
私は、改めてマジマジと妻を見た。
胸元は、手で隠しても、豊かなオッパイが押さえた手からこぼれそうだった。
引き締まった腰から、丸々した尻まわりへ、そして太腿へと目を這わせた。
昼間見る妻の水着姿は、夫の私にさえ、扇情的に映った。
いや、私にとっては、この2週間、待たされ続けた上等の肉体だった訳だし、何よりも、あの写真の男が犯しまくった肉体だった。
鉛のような鈍い重さを胸に感じながら、私の股間は勃起していた。
「ちょっと、何見ているのよ。バカじゃない?こんなくたびれた妻の身体をマジマジと見るダンナなんていないわよ。じゃ着替えてくるわね」
妻は身を翻すと、更衣用のテントの方に駆けていった。
左右の尻たぶがプルプル揺れていた。
私の股間がカッと熱くなった。
急いでカメラを構えて、妻の尻をファインダーに納めた。
「ちょっと、撮らないでよ!ほんとバカじゃないの!バカなことはやめてちょうだい!!」
振り返った妻の目は、語気の強さを物語っていた。
「冗談、冗談だよ」
私は、カメラを降ろした。
妻は足早に更衣用のテントに消えていった。
この時、初めて気付いたのだが、私達の周りに人垣が出来ていた。
誰もが妻を至近で一目見ようと集まってきていたのだ。
まわりの幾人かはデジタルカメラを持っていた。
『ちくしょう、写真を撮られてしまった。夫の俺でさせ、望遠でしか撮ってないのに、誰かわからん男が、妻の裸同然の姿を至近でカメラに収めていやがる。妻の写真を見て何するつもりなんだ?』
私の雰囲気を察したのだろう、人垣はさった消えていった。
「高野さんのご主人さんですね。向こうの本部テントでお酒を用意してますので、一杯やってください。表彰会場は山の中腹になりますので、順番にマイクロバスでピストン送迎しますので。まっている間、一杯やってください」
役員の一人が声掛けてくれた。
「ありがとうございます。じゃ、お言葉に甘えさせていただきます」
私も本部テントに足を向けた。
途中、ベニヤ板で覆っただけの特設の簡易トイレがあった。
『表彰会場は、山の中腹って言ってたな、トイレに行っておいた方が無難だ』
私はトイレに入った。
用を足していると、ベニヤ板の壁越しに、男の荒い息づかいが聞こえた。
それは、勃起をさする時の男の息づかいだった。
息づかいの合間に「高野ゆかり、高野ゆかり」と妻の名を繰り返すかすかな声が聞こえた。
見ず知らずの男が、妻の名を繰り返している。
今し方、パレードで見せた妻の肉体を思い出しながら、勃起を激しくさすり上げているのだ。
ズボンから勃起を出してさすっているのだろう。
衣擦れの音が混じった。
衣擦れの音がせわしくなり、息使いが激しくなってきた。
瞬間が近づいているようだった。
「おお、高野ゆかり、たまらん! 高野ゆかり!おっ、おおっ!ゆかり!!たまらん!出る!おおぅ、出る!!ゆかり!!うっ」
男は一段と高い声で、妻の名を呼びながら、うめいた。
ベチャ、ベチャ。
男の体液がベニヤの壁に飛び散る粘っぽい音が数回、聞えた。
「おおっおおぅ、気持ちいい、ああっ、気持ちいい、高野ゆかり、いい、いい、高野ゆかり、ハァ、ハァ いいっ」
息を荒げながらも妻の名をつぶやき続けている。
男にとって、妻の中に体液を放出した瞬間だった。
衣擦れの音が激しい。
男は、なおも射精の快感に浸るように、勃起を擦り上げていた。
それはまるで、体液のすべてを妻の中に放出するかのように思えた。
用を終えた私の肉棒は、見る見る間に勃起した。
ベニヤを隔てた隣の男の射精の興奮が伝わってきそうだった。
私の勃起の鈴口からは、透明の液が少し湧き出ていた。
⑩
鈴口からにじむ前液をブリーフで拭くと、私は、いきり立った勃起をズボンの中に納めた。
依然、ハア、ハァと荒い息遣いが聞える。
勃起をブリーフに仕舞い込む時に、勃起の裏筋に快感が走り、射精感が沸き起こった。
私は年甲斐もなく、もう少しで射精してしまうところだった。
静かにドアを開けてトイレの外に出ると、私は、大きく息を吐き出し、深く呼吸した。
陽射しが目を差し、クラクラした。
トイレの前には少しの間に、多くの男達が並んでいた。
私はうつむき加減で、男達の間をすり抜け、沿道に出た。
途中、数人の男達とすれ違った。
あの最前列で素っ頓狂な声を上げていた、あの男達だ。
歳の頃は20後半ってとこだろうか。
トイレの列の最後尾に向かって歩いていく。
私は思わず振り返った。
リーダー格らしい男がパレードの興奮さめやらぬといった調子で早口でしゃべっていた。
「あの高野ゆかりって女、たまらんだなぁ。あの顔と、あの身体、見たかよ。すっげぇ形のいいオッパイと尻してたよな、穴があくほど見てやったぜ。見ろよ、携帯でもバッチリ撮れてるぜ」
男は携帯の確認するかのように覗き込んでいた。
「いや、オレなんて顔見ているだけでイキそうだったよ。特に、あの目。目が濡れているというのか、なんて言うのか、なんかゾクゾクする目だったよな」
ひょうたん顔の男が身を震わすようにいった。
「幾つ位かな?」
「まだ20代後半じゃないか」
「バカ、あの真っ黒い乳首みたかよ。あの黒さは20代じゃないぜ。男に相当吸われないとあの黒さにならんだろ。案外、歳食ってると思うぜ」
どれだけ焼けば、ここまで黒くなるのだろうか、想像もつかないほど真っ黒に日焼けした男が、妻の乳首を話題にした。
「いや、あれはの、中出しじゃよ。女はの、何度もなんども中出しされれば、ホルモンの影響で乳首が黒くなるのじゃ。形の良いオッパイと腰のくびれ具合から見ても、あの女は確かに若い、が相当、中出しされておるのぉ。男を知ってから、中出しばかりされてきたのじゃろうなぁ」
最後尾に並んでいた老人が知ったか顔で、話に割って入った。
深いシワから相当の歳だと思われたが、好色な顔が、妙な若さを醸し出していた。
パレードの妻を見て、観音様じゃ、観音様じゃ、とつぶやいていた、あの老人だ。
「おい、おい、じいさん、いい加減なこと言うなよ。ガッハハハハ」
早口の男が、下品な笑い声を上げた。
「それじゃ、あの高野ゆかりって女、あんなにベッピンなのに、誰とでもヤッテいるのかよ」
ひょうたん顔の男が、信じられないという顔をした。
「お前もバカじゃな。ダンナがいるじゃろうが。ダンナと毎晩、ヒィーヒィーやっとんのじゃよ。あの尻の振り具合見たじゃろうが。ダンナにまたがってグイグイ、尻ふってるのじゃ」
老人は、オーバーな仕草で、腰を前後に振った。
まだ現役であることを思わせる腰使いだった。
「そうか。当然、結婚してるんだろうな。ところでオレもヤラせてもらえるかな?ヤリたくて、オレ、た~まんねぇよ。あんな女にハメた日にゃ、オレ、気持ち良すぎて死んじゃうぜ。ウッヒョ、た~まんねぇ~」
「まぁ、おまえじゃ無理だろうな。はよ帰って、かぁちゃんと一発やってこいよ。それとも、パレードの他の女で我慢しとけ。あの女以外だったら、ヤラセてくれそうだぜ。去年、打ち上げの宴会に出たタモツが、酔っ払ったサンバの女とヤッたって言ってたからな」
「いや、もちろん、ほかの女も見たんだけどよぉ。あの女と比べるとよぉ。月とスッポンじゃんか」
「それじゃ、高野ゆかりが着けていた水着でセンズリしとけよ」
「おお、それがイイ、それ最高!クロッチの部分、思いっきり匂いを嗅いで、匂いを鼻に溜めておいて、それから、チンポに巻きつけて、高野ゆかりのアソコが当たっていた部分にドビュ~ってやったら、最高じゃん!まさに疑似中出しってやつじゃんか。やりてぇ~。あの水着、もらえんかのう」
ひょうたん顔の男が、まるで妻の水着を手にしているかのように、鼻に手を持っていき匂いを嗅ぐ格好をした。
「おまえ、ほんとにあの女にイカレてしまったようだな」
「おまえだって、ヤリたいじゃろう」
「あたりまえじゃろうが。オレなら、あの美人を鼻に掛けたような高慢な女を四つんばいにさせて、尻から突きまくってやるわぁ。おまえらも見たじゃろ。あの後ろにグッと上向きに突き出た丸々とした見事な尻を。あの尻をオレの前に差し出して『入れてぇ、入れてぇ~、突いてぇ、突いてぇ~』とあの女に言わせるのじゃ。オレはなぁ、こうやって尻を鷲掴みにして『どうじゃ、どうじゃ!気持ちええじゃろ!ダンナよりエエじゃろ!ほれ、どうじゃ!』って、こうやるんじゃ」
180センチ以上はあるだろう。
男達の中で一番背の高い痩せた男が、両手で尻を抱えるようなポーズを取りながら、激しく腰を前後した。
老人の腰の動きを凌駕する荒々しい突きだった。
「おい、おい、興奮するじゃんか。オレ、出そうになってきたわぁ」
ひょうたん顔の男が泣き出しそうな声を出した。
「それにしても、まだかよ。トイレ入っている奴、長いなぁ。ゆかりで何発抜いてんだよ」
「オレ達も一発抜かにゃ、こりゃもたんぜ」
「ハハ、そりゃ、そうじゃ~ ガッハハハハハ」
男達の卑猥な笑いが響きわたった。
心底、不愉快にさせる下品な男達だった。
聞き耳を立てていた私は、居たたまれなくなって、その場を立ち去った。
妻が汚されてしまったような憤りを覚えた。
『妻が20歳代?何言ってんだ。もう400だよ!ダンナと毎晩ヒィーヒィーやってる?もう何ヶ月もやってないよ。好き勝手言いやがって!やりたいのは、夫のオレのほうだよ!特にここ2週間は最悪だ!』
静まり掛けていた怒りが沸々と蘇ってきた。
『サンバに参加するんじゃなかった。妻は、単なる村人の慰み者じゃないか』
同時に、私は自分自身が参加を決めたことを今更ながら後悔しはじめていた。
フラフラしながら、本部テントにたどり着くと、コップに注いでもらった酒を、一気に飲み干した。
頭がグルグル回った。
強烈な怒りが頭をもたげた。
村の男達に対してではなかった。
それは、20年前、妻の自宅で見たアルバムに張られた、あの水着の写真。海水パンツの股間を膨らませた男とツーショットで写っていた、あの妻に対してだった。
そして、村の男達の会話の中の、あの言葉が胸の中で響き出した。
『黒い乳首、中出し。黒い乳首、中出し、黒い乳首、中・・・』
胸の奥深くに封印していた鈍く大きな鉛が、ズドン、ズドン、と音を立てて噴き出し、私の胸を打ち続けている。
黒い渦が大きく、大きく、私の頭の中に広がっていった。
-
2:col
:
2023/10/04 (Wed) 10:41:58
-
『赤ちゃんが欲しかった私たちが堕ちた罠』を読みました。
フィクションと書いてありますが、私自身の経験と符合するところがいくつかあります。
もちろん、違うところもあるのですが、病院が違うのか、時期によって方法を変えたのか、作者のフェイクなのかは、わかりません。
舞台となった産婦人科について、場所は同じ横浜です。
あちらでは『ひっそりとした一軒家』と書かれていますが、私の行ったところは病室を何室も持つ立派な病院で、普通の出産も一日に何件もあるところでした。
今まで不妊治療を行った人の評判が良く、料金も安いというので、そこを選びました。
そこで、不妊相談、検査を行い、私に原因があることが分かりました。
通常の不妊治療で成果が上がらぬ段階で、他人の精液による人工授精を行い、それもだめだったので生身の男性による受精となったのです。
その舞台は、人工授精までは病院でしたが、その後は、病院の裏にある病院長が経営する賃貸マンションの最上階の一室で、リンク先と異なりマジックミラーではなく、ビデオカメラの設備がありました。
そこで、自分の妻が見知らぬ男に生で挿入され、イカされ、そして膣内に射精されるという屈辱的な光景をモニター越しに見学させられたのです。